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AI導入の見積もりが妥当か分からない会社が、最初に確認すべきこと

この記事は note に掲載したものの転載です。

「AIを使って業務を効率化しませんか」という提案を受けて、見積書を出してもらった。金額は300万円。……さて、これは高いのか、安いのか。

こういう相談を、中小企業の経営者の方からよく受けます。機械や車なら、他社と比べれば高い安いの見当がつく。ところがITやAIの話になると、比べるための基準そのものが分からない。結局、担当者の印象や、社長の勘で決めることになってしまいます。

判断材料は、実はそれほど難しくありません。見るべきポイントは三つです。

金額の大きさより、「何を買っているのか」の内訳

IT・AIの見積もりでいちばん危ないのは、「AI導入一式 300万円」のように一行で書かれているものです。中身が見えないので、比べようがない。

まずは内訳を出してもらってください。多くの場合、費用は次の四つに分かれます。ソフトやAIサービスの利用料、実際に設定・開発する作業の費用、何をどう変えるかを整理する調査・設計の費用、そして導入後の保守やサポートの費用です。

この四つに分けて説明できる会社は、少なくとも自分たちが何をやるか分かっています。逆に「一式なので」と内訳を渋る相手は、その時点で候補から外して構いません。まだ中身が決まっていないまま、金額だけ先に出している可能性が高いからです。

作業費は「何人が何日働くか」で決まっている

IT業界の費用の大部分は人件費です。相場は、技術者一人が一日働いていくら、という単価で決まります。会社の規模や技術者の経験によりますが、おおよそ一日あたり五万円から十万円のあいだに収まることが多い。

この物差しを当てると、金額の意味が急に分かりやすくなります。作業費が三百万円なら、三十日から六十日ぶんの人手。つまり、一人の技術者が一か月から三か月、自社の仕事にかかりきりになる規模だということです。

そう言い換えたうえで、「うちの業務に、そこまでの手間がかかるだろうか」と考えてみる。もし社内の作業が、実際にはExcelの集計を自動化する程度の話なのに三か月ぶんの見積もりが出てきているなら、要件のどこかが膨らんでいます。その場合は「どの作業に何日かかる想定ですか」と聞けば、話は具体的になります。

安すぎる見積もりのほうが、たいてい高くつく

もう一つ、覚えておいていただきたいことがあります。極端に安い見積もりは、お買い得ではないことが多いのです。

安く出せる理由はだいたい二つで、一つは、何をつくるかがまだ固まっていないから。この場合、着手してから「それは別途費用です」が繰り返されます。もう一つは、本当に最低限のものしかつくらないから。動くには動くけれど、現場の実情に合っておらず、結局誰も使わない。数十万円が丸ごと無駄になるという意味では、こちらのほうが損失は大きい。

見積もりを比べるときは、金額の順に並べるのではなく、「同じものを見積もっているか」を先に確かめてください。前提が違う見積もりを並べても、比較にはなりません。

まとめ

見積もりの妥当性は、専門知識がなくても、内訳・人日・前提の三点を確認すれば、かなりの部分まで判断できます。逆にいえば、この三点に答えられない相手とは、金額にかかわらず組まないほうが安全です。

とはいえ、提案書を前にして「これ以上どう聞けばいいか分からない」という場面もあると思います。overwriteでは、他社さんの見積もりや提案内容について、第三者の立場で内容を整理するご相談も承っています。契約前の段階でも構いませんので、判断に迷われたときは気軽に声をかけてください。

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