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システム開発をベンダーに「丸投げ」して失敗する会社の共通点

「専門家に任せたほうが早い」。システム開発やAI導入をベンダーに依頼するとき、多くの経営者がそう考えます。自社にエンジニアがいなければ、外部の力を借りるのは正しい判断です。

ところが、「任せる」と「丸投げする」は、似ているようでまったく違います。丸投げで進めた会社ほど、できあがったシステムが現場で使われず、追加費用だけがかさんでいく。なぜそうなるのか、どうすれば防げるのかを整理します。

「いい感じにやっておいて」が一番危ない

失敗するプロジェクトに共通するのは、発注時の言葉があいまいなことです。「業務を効率化したい」「とりあえず今っぽいシステムを」——この依頼では、ベンダーは何を作ればいいか分かりません。

人は、情報が足りないと空白を自分の都合で埋めます。ベンダーも同じで、あいまいな発注は「自分たちが作りやすい形」で仕様が埋まっていきます。その結果、現場の実際の仕事とはズレた製品ができあがる。

たとえば受注管理システムを頼んだとして、現場では「電話で先に受けて、後から正式注文が来る」「特定の取引先だけ締め日が違う」といった例外が日常的に回っています。発注時にそれを伝えなければ、例外をまったく考慮しないシステムが納品され、結局これまで通り手作業が残ります。

ベンダーは「業界のプロ」でも「あなたの会社のプロ」ではない

ここで押さえておきたいのは、ベンダーは技術と業界のプロですが、あなたの会社の業務のプロではないということです。

どの作業に何分かかり、どこで人が困っているのか。繁忙期に何が起きるのか。それを一番知っているのは、毎日その仕事をしている現場の社員です。発注側がその情報を渡さなければ、どんなに優秀なベンダーでも的を射た提案はできません。

「プロなんだから、こちらの業務もうまく汲み取ってくれるはず」という期待が、丸投げの入り口です。汲み取ってもらうのではなく、渡す。ここが発注側の最初の仕事になります。

納品物を「判断できる人」を社内に置く

もうひとつの落とし穴は、納品物の良し悪しを判断できる人が社内にいないことです。

ベンダーから「完成しました」と言われても、それが本当に要件を満たしているのか、確かめる役割が必要です。ここが空席だと、不具合や仕様の抜けに気づかないまま受け入れてしまい、運用が始まってから問題が噴出します。手戻りの費用は、たいてい最初に削ったはずのコストを上回ります。

この役割は、必ずしも技術者である必要はありません。自社の業務を理解し、ベンダーと現場の間に立って「通訳」できる人。完璧でなくてかまいません。窓口を一本化して責任を持つ人が一人いるだけで、プロジェクトの精度は大きく変わります。

発注前に答えたい三つの問い

丸投げを防ぐ準備は、難しいものではありません。発注の前に、自社で次の三つに答えられるか確認してみてください。

  1. この業務で一番なくしたい手間は何か ——「全体を効率化」ではなく、「月末の請求書づくりに二日かかっているのを半日にしたい」まで具体化する。
  2. 完成したシステムを、誰がどう使うのか —— 使うのはPCに不慣れな現場のパートさんなのか、本社の専任担当なのか。これで作るべきものは大きく変わります。
  3. うまくいったかどうかを、何で判断するのか —— 「作業時間が◯割減った」「入力ミスが月◯件減った」など、後から測れる形にしておく。

これらが曖昧なままなら、契約を急ぐべきではありません。逆に、この三つさえ自社で言語化できていれば、ベンダー選びも見積もりの比較も格段にやりやすくなります。複数社に同じ前提を渡せるので、提案の良し悪しがはっきり見えるようになるからです。

「一番なくしたい手間」を洗い出す具体的なやり方は、AI導入の前に、まず業務フローを書いた方がいい理由もあわせてご覧ください。

まとめ ── 丸投げではなく「協働」

ベンダーへの依頼は、丸投げではなく協働です。業務の中身を一番知っているのは発注側であり、

  • その情報をきちんと渡すこと
  • 納品物を判断できる人を置くこと
  • 目的を言葉にしておくこと

この三つができれば、外注の成功率は大きく上がります。難しい技術の話は、その後でかまいません。

「自社だけで要件をまとめるのは難しい」と感じたら

OVERWRITEは、社内SE・PM経験をもとに、発注前の業務整理から、ベンダーとのやり取りの間に入る役割、導入後の運用まで一貫して伴走します。専門用語に頼らず、現場・経営の言葉でご説明します。

要件が固まっていない段階こそ、ご相談ください。一緒に「三つの問い」を整理するところから始められます。

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